Q 父が以前公正証書遺言書を作りました。最近になって、しまっていたはずの遺言書を紛失していることに気づきました。遺言書を作ったのが10年以上も前のことなので、探しても出てきません。これってもう一度作り直しになるのでしょうか?
遺言書を作ったはいいものの、そのあとで「どこに保管したかわからない」とか「災害で滅失した」、はたまた「遺言書が破けてしまった」など、遺言書になにかしらのトラブルが起こることもあります。
そんなときに遺言書を作り直しになるのであれば大変なことになりかねません。
遺言者が元気であれば、即遺言書の作成ができるでしょうが、仮に遺言者が痴呆症にかかっていたとか既に亡くなっていたという場合は当然遺言書の作り直しはできないことになります。
ですから、遺言書の保管というのはとても大事だということがわかると思います。
では、遺言書の作り直しについて、自筆証書遺言書と公正証書遺言書に分けて考えてみましょう。
自筆証書遺言書を紛失した場合
自筆証書遺言書を紛失した場合は、基本的には作り直しになります。通常遺言書はいくつも作るものではありません。
ですから、その遺言書が無くなってしまえばそれで終わりです。
ただし、いくつか遺言書があれば残っている遺言書が有効となる可能性が高いでしょう。
公正証書遺言書を紛失した場合
公正証書遺言書の紛失であれば、これは公証役場で再交付が可能です。
公証役場では、公正証書遺言書の原本を保管しているので、その原本がある限りは何度でも再交付が受けられるのです。
また、公証役場では遺言書の検索システムも完備しています。ですから、遺言者が亡くなった後で肝心の遺言書が見つからない場合、「遺言書は見ていないけど確か公正証書遺言書を作ったって言ってたな」というときは公証役場に問い合わせをしてみるといいかもしれませんね。